令和6年度公営企業会計決算特別委員会(第3号)
◯江崎委員
都議会参政党の江崎さなえです。よろしくお願いいたします。
参政党は、日本の国益を守り、世界に大調和を生むという理念の下、教育・人づくり、食と健康・環境保全、そして国のまもりを三本の柱として政策を掲げております。上下水道、交通、電力といった基幹インフラは、国家主権の根幹であり、本来、公が責任を持つべき領域であると考えます。民営化や民間委託によって、公共の機能を市場に委ねる流れが拡大すれば、国民の富の流出や安全保障のリスクを招くと主張してまいりました。したがって、国家主権を守り抜く公営企業の経営を実現することこそ、首都東京が果たすべき重要な責務であると考えます。
以上、参政党のスタンスを述べさせていただき、質疑に移らせていただきます。
本年一月、埼玉県八潮市で大規模な道路陥没事故が発生しました。地中では下水道管の破損が確認され、下水道管の内部に土砂が流入したことにより道路が陥没したと考えられています。この事故により、約百二十万人の住民が下水道の利用を制限される事態や、生活排水の河川への緊急放流など、生活に大きな影響が生じました。
東京の地下には、電気、ガス、水道、下水道、地下鉄など、都民の生活に直結する重要なインフラが複雑に埋設されており、一たびこれらのインフラに障害が発生すれば、人々の生活に想像を超える影響が及ぶおそれがあります。また、一つの事故が他のインフラに波及するリスクもあると懸念されます。
そこで、地下インフラの重要性と、それを維持管理する都の公営企業の経営の考え方について、知事の認識を伺います。
◯小池知事
東京の交通、水道、下水道は、都民生活や首都東京の都市活動を支える基幹的なインフラであり、その整備を担う公営企業は、将来にわたって安定的にサービスを提供していく使命を有しております。
このため、公営企業におきましては、自然災害等の様々な脅威に備えて、インフラ施設の強靱化を進めるとともに、AI等の先端技術の活用や次世代を担う人への投資を行いまして、持続可能な経営基盤を確立する必要がある、このように認識をいたしております。
◯江崎委員
ご答弁いただき、ありがとうございました。脅威に備えるため、インフラ施設の強靱化、AIの活用、人への投資を進めていくというご意向を確認いたしました。次世代を担う投資については、育成就労制度の活用をする前に、まずは都内にいる約二十二万四千人の完全失業者の方々が働ける環境づくりを、今後さらに進めていただきたいと思います。
次に、下水道局に伺います。
経営計画二〇二一には、汚泥処理の信頼性強化と効率化を区部の主要な施策の一つとして位置づけられており、将来にわたり安定的に下水を処理する機能を確保することと記載されています。
そこで、区部における汚泥処理の信頼性を強化するための対策について伺います。
◯藤橋下水道局長
下水道局では、区部の十三の水再生センターにおいて、下水を処理する過程で発生する汚泥を、送泥管を通じて五か所の汚泥処理施設に集約し、効率的に処理しております。災害時に汚泥を送る機能が停止することがないよう、送泥管を複数化する取組を推進しております。また、汚泥処理施設の機能が停止した場合でも、稼働している他の処理施設に送泥先を変更できるよう、管やポンプなどの相互送泥施設の整備を推進しております。
◯江崎委員
災害時に汚泥管や汚泥処理施設の機能が停止すると、複数の水再生センターに影響が発生するため、災害時においても汚泥処理の機能を確保することは重要です。送泥管の複数化や相互送泥施設の整備を行っているとのことですが、区部の汚泥処理の信頼強化における令和六年度の取組状況について伺います。
◯藤橋下水道局長
令和六年度は、落合水再生センターと、みやぎ水再生センター間における送泥管の複数化に必要なトンネルの築造工事を進めました。また、東部スラッジプラントと葛西水再生センター間で相互送泥施設の設計を進めました。
◯江崎委員
区部の送泥ネットワークやバックアップ機能が強化されることは、都民の安心・安全を支え、信頼性向上につながるものと評価いたします。また、限りある埋立処分場の延命化のため、減量化とともに汚泥焼却灰の資源化を推進していると承知しております。
そこで、汚泥焼却灰の具体的な活用用途について伺います。
◯藤橋下水道局長
下水道局では、汚泥焼却灰の資源化を進めるため、下水道工事で使用する下水道管やマンホールなどのコンクリート製品の材料として活用しております。
◯江崎委員
民間施設への受入れ拡大や新たな受入れ施設の開拓を進めるとともに、今後、汚泥処理の信頼性向上と資源循環の両面から着実な推進をお願いいたします。
次に、水道局に伺います。
水道局が百二十年以上にわたり取り組んでこられた水道水源林の管理を、私自身、強く支持しております。戦後、拡大造林政策によって天然林が伐採され、杉やヒノキが大量に植えられました。しかし、海外からの安価な木材の輸入に伴い、現在では手入れの行き届かない放置人工林が増加しています。この放置人工林には、餌となる植物がほとんどなく、野生動物が餌を求めて里に下り、丹精込めてつくられた農作物が荒らされたり、人に危害を加える被害が発生しております。都内においても目撃情報が相次ぎ、奥多摩町では八月に人的被害が発生しました。
本年九月、環境省は緊急銃猟制度を設定しました。本制度は、熊やイノシシが人の生活圏に出没した場合、市町村長がハンターに銃猟を委託し、危険な鳥獣を迅速に捕獲するようにできるものですが、これはあくまで対処療法にすぎません。
また、東京都では、狩猟免許や猟銃所持の手続において、住民票の提出は求められるものの、国籍要件は求められておらず、外国籍の方であっても、正規の手続を踏めば猟銃を所持することが可能になっています。しかし、猟銃所持に国籍要件がない現行制度には、制度上の空白が生じ、悪用されるおそれを否定できません。
例えば、世界には、有事の際に国内外の自国民に対し、協力や動員を求める法律や制度を有する国も存在します。こうした制度が発動した場合、日本国内に居住する外国籍の方々が、その国の指示や要請の影響を受ける可能性を完全に排除することは困難です。だからこそ、国家安全保障の観点から、狩猟免許や猟銃所持許可には国籍要件を整備するべきであると考えます。
農作物や人への被害を防ぐことはもちろん重要ですが、その一方で、拡大造林政策やダム建設、そして脱炭素政策の推進に伴い、山肌が削られ、大量に敷き詰められた太陽光パネルや、尾根筋の大規模風力発電施設の建設によって、広大な森林伐採が進んでいます。こうしたメガソーラーや風力発電は、投資家に利益をもたらす一方で、環境破壊を助長しているという現実にも目を向ける必要があります。その結果、ドングリなど果実をつける広葉樹が減少し、野生動物の食料や生息環境が失われているという深刻な事態も生じています。
なぜ、熊やイノシシが人の生活圏に出てくるようになったのか。この根本的な原因と真摯に向き合い、水道水源林を、植物、野生鳥獣、微生物が共生できる環境を整えて、その生態系の調和を通じ、水資源の保全に生かしていくことこそ、これからの東京に求められる姿勢であると考えます。
そこで、民有林の購入を、令和六年度はどう進めてきたのか伺います。
◯山口水道局長
森林が持つ水源涵養などの機能の向上を図り、良好な森林へと再生するため、水道局では、平成二十二年度から多摩川上流域の民有林を購入しております。令和六年度は、公募等によりまして、約二百二十二ヘクタールの民有林を購入いたしました。
◯江崎委員
ありがとうございます。令和六年度に購入された面積のうち、土砂流出が懸念される小河内貯水池の周辺における重点購入地域の購入面積を伺います。
◯山口水道局長
民有林重点購入地域における令和六年度の購入面積は、約二百六ヘクタールでございます。
◯江崎委員
令和六年度に購入された民有林の約九〇%が、重点購入地域であることが分かりました。引き続き、残りの重点購入地域の購入を着実に進めていただくようお願いいたします。
こうした取組を加速させる背景には、災害リスクの高まりがあります。昨今、記録的な豪雨や土砂災害が頻発しています。先ほども申し上げました人工林は、単一の植林が多く、根が浅く、広がりにくいため、大雨などの際には山崩れや洪水を引き起こす原因となります。一方、広葉樹林は、根が深く、広く張り、落葉と腐葉土を生み出し、地下に豊かな生態系を育みながら雨水を地中に浸透させ、安定した水の流れを保ちます。このような特性を持つブナやミズナラなど、多様な広葉樹による天然林への回復を進めることが極めて重要です。
そこで、多摩川上流域における水道水源林において、人工林と天然林の割合について伺います。
◯山口水道局長
水道局が保有する水道水源林の令和六年度における人工林と天然林の割合は、人工林が約三割、天然林が約七割でございます。
◯江崎委員
ありがとうございます。天然林が七割と多く残されていることは、水源涵養機能の維持や生態系の保全の面からも大変意義深いものだと考えます。天然林を将来にわたり健全に維持、拡大していくための取組も重要です。
そこで、ブナやミズナラなど広葉樹を中心とした天然林への誘導をどのように進めているのか伺います。
◯山口水道局長
水道水源林が持つ水源涵養機能などを発揮させるため、森林の種類や立地条件に応じた手入れを行っております。
このうち、成長が良好で、伐採した木の搬出に適した人工林は、複数の世代の樹木で構成される複層林として管理しております。また、地形や地質の条件が悪く、木の搬出が難しい人工林につきましては、間伐によって生じた空間に広葉樹の自生を促すことで、天然林に近い森林に誘導しております。
◯江崎委員
現場の実情に応じて管理が進められていることを評価いたします。
あわせて、水源地そのものを守る視点は、今後ますます重要になります。世界的に深刻化する水不足を背景に、海外資本による我が国の水源地や森林の買収が相次いでいます。外国籍の個人や海外資本による土地取得は合法であり、取得後の所有権は世界一強いともいわれています。こうした状況は、実質的に我が国の領土の中に外国ができたのと同じ状況であり、水資源や森林がほぼ自由に利用できてしまう現状は看過できません。
これらを守るためにも、国が十分な策を講じないのであれば、東京都が率先して土地取得規制条例など独自の制度的枠組みを制定するべきだと考えます。したがって、東京都が民有林を購入し、水や水源地を守ることは、子供たちの未来を守ることであり、同時に国の安全保障にも資する重要な取組であると考えます。
将来にわたり豊かな森と清らかな水を次世代に引き継いでいくことは、今を生きる私たちの責務です。引き続き、水道水源林の保全と再生に尽力していただくことを要望いたします。
次に、災害時給水ステーションの取組について伺います。
◯山口水道局長
水道局では、災害等の断水時に応急給水を実施するため、浄水場や給水所の施設、公園の応急給水槽などの給水拠点のほか、小中学校などの避難所に設置している応急給水栓等を、災害時給水ステーションとして整備しております。また、区市町と連携し、地域住民も参加する訓練を行っておりまして、令和六年度は百四十三回の訓練を実施いたしました。
◯江崎委員
ありがとうございます。給水拠点や災害時給水ステーションの整備、地域と連携した訓練も実施されたとのことですが、令和六年度東京の水道に関するお客さま意識調査によると、災害時給水ステーションの認知度は、知らない、聞いたことはあるが具体的な場所は知らないが約八五%、知っていて具体的な場所も知っているは約一五%でした。この結果から、災害時に都民が実際にどこで給水を受けられるのか、具体的な場所まで把握している方は、全体の一五%にとどまっていることが明らかになりました。
災害時給水ステーションは、断水など非常時において都民の命を守る重要な拠点でありながら、その存在や利用方法が十分に浸透していない現状は課題であります。
そこで、災害時給水ステーションについて、都民への周知や認知度を高めるため、どのような取組を進めているのか伺います。
◯山口水道局長
災害時給水ステーションの認知度向上に向けましては、広報動画を制作して、SNSや東京都水道局アプリなどで発信しております。また、区市町と連携し、防災イベントへの出展や広報紙への紹介記事の掲載を行うなど、多様な媒体を用いた広報を実施しております。