令和8年第1回定例会(第5号)
◯十一番(江崎さなえ君)
会派を代表し、令和七年度東京都一般会計補正予算外知事提出の全議案に賛成の立場から討論を行います。
まず、第九十八号議案及び第九十九号議案について申し上げます。
前定例会において、我が会派は、第二百七十一号議案、「新たな教育のスタイル」の実施校新築工事に反対いたしました。国家百年の計であり、我が国の未来をいかに描き、その担い手をどのように育てるかという明確な教育理念の下に構築されるべきです。新たな教育のスタイルという抽象的な目的を掲げ、都立高校という建築物を先行して整備させる点に根本的な問題があると指摘し、反対の立場を明らかにしました。
しかし、前定例会において議決されました。これを踏まえ、今回提出されている電気設備工事及び空調設備工事については、事業を適切に執行する上で必要不可欠であるとの認識から賛成するものであります。
現在公表されている構想案によりますと、生徒の意思により、年間の半分を登校しない形で学ぶことも選択可能なカリキュラムが想定されています。このような制度設計を前提とした場合、新築校舎の建築が本当に必要であるかについては、なお疑念が残ります。既存の都立高校を改修することによって対応が可能な場合もあるのではないかと考えます。
今後の事業推進に当たっては、改めて明確に教育理念を打ち立て、その理念に基づく教育内容や指導体制の構築を最優先として取り組むことを強く求めます。
次に、令和七年度東京都一般会計補正予算について申し上げます。
今回の最終補正予算案においては、法人二税を中心とした税収の上振れにより、都税収入が当初予算に比べて二千七百三十六億円増の七兆二千八百二十三億円となりました。
都税収入が増加する一方で、都民が直面している現実は極めて厳しい状況にあります。財務省によれば、令和七年度国民負担率は四六・二%に達する見通しであります。加えて、長引く物価高騰、光熱費の上昇が続く中、実質賃金は四年連続でマイナスとなっております。賃金が物価上昇に追いつかない状況が続き、都民生活は一層苦しさを増しております。
こうした中、今回の最終補正予算案では、ゼロエミッション東京推進基金に五百億円、新築建築物再生可能エネルギー設備設置等推進基金に五百億円、合計一千億円を積み立てるとしています。
我が会派は、さきの一般質問においても申し上げましたが、脱炭素政策の一律的推進には慎重な立場であります。
脱炭素政策の推進の下、固定価格買取り制度等に基づく再エネ賦課金は、電気料金に上乗せされる形で国民が負担しています。制度開始当初の二〇一二年度には、一キロワットアワー当たり〇・二二円であった賦課金単価は、二〇二五年度には三・九八円と十八倍に上昇しました。その結果、再エネ賦課金は、一般家庭にとって無視できない家計負担となっております。
このような現状も踏まえ、ゼロエミッション東京の達成が都民生活や地域経済にどのような影響を及ぼすのか、冷静かつ実証的な検証が必要不可欠であります。
将来の財源確保として、基金を積み立てる意義は理解いたします。しかし、一千億円という巨額の財源を積み立てる前に、その優先順位について改めて検討すべきではないでしょうか。
今、生活に苦しむ都民へ相応の支援策を講じることや、上下水道管の老朽化対策、公共交通の運転士、警察官、消防士など、東京の都市機能の根幹を支える人材の待遇改善及び確保にこそ、最優先で取り組むべきであると考えます。
最後に、我が会派の立場について申し上げます。
参政党は、さきの衆議院選挙で三十議席の政党となりました。特定の業界団体、組合、宗教団体の支援を受けず、党勢拡大をできた背景には、保守、革新という従来の枠組みを超え、行き過ぎたグローバリズムに歯止めを求める国民の期待があるものと受け止めております。
一九九三年から二〇二三年の三十年間で、国民負担率は三六%から四六%へ上昇し、世帯年収の中央値は五百五十万円から四百十万円へ低下しました。
また、株主配当が九・五倍に増加した一方で、人件費の伸びは一・四倍にとどまり、賃金はほとんど増えておりません。
さらに、非正規雇用比率も二〇%から三七%へと拡大をしています。
東京証券取引所によると、二〇二四年度の日本企業の外国人持ち株比率は三二%に達しており、配当金の相当部分が海外投資家へ流出している状況にあります。
いわゆる失われた三十年とも呼ばれるこの期間、世界規模で事業を展開する大企業に富と権力が集中し、こうした企業が国の枠組みを超えて市場やルール形成に影響を及ぼすグローバリズムが進展してきました。人、物、金の自由な移動と世界の一体化を正義とし、その混在化を多様性と評価します。
その結果、経済格差の拡大、民主主義の機能不全、中産階級の貧困化が進み、各国の主権や文化が損なわれてきました。こうした流れへ見直しを求める動きは、欧米をはじめ、世界各地へ広がっています。
参政党の支持拡大も、こうした世界の潮流の中から生まれたものであります。この点を理解いただかなければ、我が会派が取り上げてきた火葬場運営会社の株主が外国資本である問題や、新型コロナワクチン接種による健康被害問題に警鐘を鳴らしてきた姿勢が、マスコミのいう常識から外れた主張であるかのように受け取られてしまいます。
しかし、よく検証していただければ、我が会派が反対する政策は、国民のためという看板を掲げながら、実際には一部の既得権益層に利益が偏り、都民ひいては国民全体の利益には十分につながっていない場合もあることが理解いただけるはずです。
参政党が掲げる日本人ファーストとは、一般の日本国民の利益を最優先にするという決意であります。都議会参政党は、今後の予算特別委員会を通じ、日本人ファーストの観点から質疑させていただくことを申し上げ、討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)